キッチンからリビングを望む。天井高を上げてより開放的な空間を演出
惜しまず手間と時間をかけた
手仕事の家と丁寧な暮らし
結婚当初から暮らしていた集合住宅と、生活圏がほとんど変わらない場所に土地が見つかり、Yさんご家族の家づくりは始まりました。友人から北海道ハウジングの評判を聞いていたご夫妻は、タイミング良く開催されたオープンハウスにも足を運びました。「フレキシブルであり、合理的な考え方が、家具職人である自分の仕事観につながって好感が持てました」とYさんは、北海道ハウジングとの出会いを振り返ります。
家づくりでこだわったのは、間仕切りのない広々としたリビング空間の実現。階段と客間の配置に悩みましたが、提案されたものは客間をスペースとして確保し、必要なときにスクリーンで間仕切るというものでした。その提案に「自分たちの生活スタイルの希望どおり」と、ご夫妻はしっくり感じたそうです。
そしてもうひとつのこだわりは、随所にYさんの造作家具を収めること。ダイニングテーブルをはじめ、キッチン・バックボード・カップボード・洗面台など、すべてYさんの造作です。奥さんの要望も取り入れ、ペニンシュラ型にしたキッチンは、大きな二枚扉がスライド式に開く大容量のカウンター収納ですっきり。ほかにも、テレビボードのあしらいなど、お客さんに提案するにはチャレンジだったアレンジも「自分の家だから」と実験的に導入したといいます。
奥さんは、「自然素材のあたたかみの感じられる珪藻土の塗り壁には、やはり良質のリネン素材が合う」と思い、子ども部屋以外のカーテンを1ヵ月ほどかけてすべて縫い仕上げました。家庭菜園も楽しみのひとつです。春からは前後の庭の手入れが始まり、家庭菜園で採れたものが、造作キッチンで調理され、食卓にあがります。
お二人の手仕事の丁寧さが伝わる暮らしの面々は、豊かさに満ちていました。
DATA
■建築データ
構造規模 木造(新在来木造構法)・2階建て
延床面積 114.89㎡(約34坪)
<主な外部仕上げ> 屋根/ガルバリウム鋼板、外壁/塗壁、建具/玄関ドア:鋼製断熱ドア、窓:樹脂サッシ(一部トリプルガラス)
<主な内部仕上げ> 床/ナラ無垢フローリング、壁/珪藻土 一部クロス、天井/クロス
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/ポリスチレンフォーム(B2)120㎜、壁/高性能グラスウール16㎏210㎜、屋根/吹込ロックウール350㎜
□暖房方式 エコジョーズによるセントラル暖房(温水パネルヒーター・床下放熱器)
■工事期間
平成30年6月~10月(約4ヵ月)
リビングは、できるだけ間仕切りをなくして広々と使えるように。家族がどこにいても存在を感じられる。リビングの中央に位置付けられた階段もご夫妻の希望
キッチン・バックボードもYさんの造作。大きい二枚扉の大収納はすっきりリビングの要
2階フリースペースから見た子ども部屋。将来は2部屋に仕切ることを想定している
玄関から見たダイニング・キッチン。木製のパーテーションもご主人の造作。ダイニングテーブルは木目が美しいタモの一枚板
家具職人のYさんが造作した洗面台。メラミン化粧板を使った造作で耐水性をもたせた
玄関から客間とリビングを望む。内壁はすべて珪藻土の塗り壁
大容量のシューズクロークを確保した玄関。右側の扉は客間につながる
白い塗り壁が美しい外壁。雪のない季節になると、シンプルなこの外観に前庭の樹木が映える