木とレンガで設えた開放感あふれるリビング・ダイニング。床には、素足が心地よいナラ無垢材を採用
自然素材と薪ストーブの温もりが心地よい
遊び心ある平屋風住宅
冬はスノーボード、春から秋は釣り。オホーツクの豊かな自然相手に遊ぶのが大好きなIさんは、40代を迎えたのを機に趣味的な暮らしを存分に楽しめる家を新築したいと考えました。「趣味が多いと、道具も自然に増え、借家では手狭に感じるようになりました」とIさん。そして、10年以上一緒に暮らしている愛犬を庭でのびのびと遊ばせたいという想いも、新築決断の後押しをしました。
そんなIさんが愛犬の散歩コースで見つけたのが、広々とした農地。Iさん自ら地主さんに交渉し、農地転用した宅地380坪を購入しました。そして「自然素材を生かした遊び心のある住まいが好みにぴったりだった」という北海道ハウジングに新築を依頼。「夫婦二人暮らしなので、ワンフロアで生活ができる平屋がちょうどいいと思いました。北海道ハウジングはデザインも大切にしながら、きめ細かくコスト調整してくれて、想定以上のプランを提案してくれました」と、Iさんは当時を振り返ります。
2020年9月に完成した新居は、平屋造りを基本に、高い吹き抜けと生活空間を見下ろすフリースペースを設けた2階建ての住まいです。木の温もりに包まれるようなリビングには、Iさんが願ってやまなかった薪ストーブも設置されました。「薪ストーブは、遊び心のシンボル。仕事から戻って薪の火を眺めるのが、冬の暮らしの楽しみになりました」と、満足そうに話すIさん。標準仕様でも十分な性能を備える住まいは、冷え込む夜も薪ストーブだけで十分すぎるほど暖かです。「共働きで平日の昼は暖房を入れていませんが、室内がほんのり暖かいんですよ」と、奥さんも嬉しそうに話します。
新築から2年を経て、DIY好きなIさんは端材を利用して、薪棚やゴミステーションを自作。広い敷地を生かし、庭用品を収める小屋も設置しました。「まだ庭づくりも途中ですし、これからさらに自分たちらしい家にカスタマイズしていきます」と、笑顔で力強く語るIさんです。
DATA
■建築データ
構造規模 木造(新在来工法)・2階建て
延床面積 128.75㎡(約38坪)
<主な外部仕上げ> 屋根/ファイバーグラスシングル(リッジウェイ)、外壁/道南スギ板張、建具/玄関ドア:鋼製断熱ドア、窓:樹脂サッシ(一部トリプルガラス)
<主な内部仕上げ> 床/ナラ無垢フローリング、壁/クロス 一部珪藻土・羽目板張、天井/クロス 一部現し・合板張
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/ポリスチレンフォーム(B3)100㎜、壁/高性能グラスウール16㎏210㎜、屋根/ロックウール400㎜
<断熱・気密性能> UA値:0.29W/㎡K、C値:0.40㎠/㎡
□暖房方式 セントラルヒーティング(床下放熱器)・薪ストーブ
■工事期間
令和2年5月~9月(約4ヵ月)
小上がりになっているリビング続きの和室。「腰を掛けるにもちょうど良い高さで気に入っています」と奥さん
対面式のキッチンには背面収納のほか、奥さん専用の造作デスクも備えた
キッチン、リビングの2WAY動線を設けたユーティリティには、既製品を組み合わせた洗面台を設置。奥さんの化粧台も兼ねている
ユーティリティは、そのままウォークインクローゼットとつながっていて、洗濯が最短の動線で完結できる
トイレの手洗いは、廊下側に独立させた造作仕様。SNSを参考に、タイル使いにもこだわった
2階フリースペースは吹き抜けで、階下のリビング・ダイニングとつながる
薪ストーブの炉壁には、北海道ハウジングの過去の事例で見て気に入ったアンティークレンガを採用した
キッチンに隣接して、Iさんが釣りの道具の手入れや仕掛けづくりができる1.5帖の趣味室を設置した
玄関土間続きにシューズクロークのほか、食品の買い置き、保存に便利な外気導入型の大型パントリーがある
奥さんが古道具を利用してつくった寄せ植えが、自然素材を生かした玄関ポーチを彩る
すっきりとしたフォルムと、ナチュラルな道南スギ板張りの外壁が目を引く外観
カーポートは建物に合わせて設えた造作仕様。庭の立水栓や薪棚は、IさんがDIYで仕上げた。新築後、薪割りもIさんの新たな趣味になった